整形外科

整形外科とは

整形外科とは関節を構成する骨・筋肉・靭帯を中心とした運動器を扱う分野です。対象となる疾患は、急性で激しい痛みを伴う骨折や脱臼、前十字靭帯断裂のような症状に気づきやすいものから、中~高齢の子で慢性的な痛みとして問題となってくる変形性関節症のように気づきにくいものまで年齢や原因、症状にわたり多種多様です。

整形外科のよくある症例

  • 橈尺骨骨折、大腿骨骨折、上腕骨骨折
  • 骨盤骨折
  • 前十字靭帯断裂
  • 膝蓋骨脱臼
  • 股関節脱臼、肩関節脱臼
  • 大腿骨頭壊死症(レッグ・ペルテス病)
    etc

プレート法や創外固定など様々な治療法を用意しています。

関節外法などの従来の手術方法だけでなく、TPLOやTTAなどの新しい手術方法にも対応しています。

造溝術や脛骨粗面転移術など、症状に合わせた手術を行います。
その他各疾患に対するリハビリにも力を入れています。

関節包外固定法はその名の通り関節包(関節を包む袋状の膜)を切開せず、その外側に糸をかけて前十字靭帯の代わりをさせるという治療法です。

TPLO脛骨の一部を切り取り、角度を変えてプレートで固定します。こうすることにより大腿骨が後ろに滑るのを防ぎ、靭帯にかかる負担を減らします。

TTA脛骨の前面を切り取り、前に倒してプレートで固定します。これにより、脛骨と大腿骨の間に生じる力を減らし十字靱帯の機能を補助します。

当院の考え方・治療方針

整形外科の異常は足を挙げていたり、歩き方がおかしいことで気づくことが多いと思います。 しかし、歩き方がおかしいとき(歩様異常)には整形外科的な異常ではなく、皮膚疾患や神経学的な異常から出ている場合もあります。
歩様異常に関して当院ではまず立位・歩行時の視診、身体検査をしっかり行い、疼痛の有無や罹患部位、麻痺の有無をなるべく動物たちにストレスを与えないよう確認します。
整形外科疾患が疑わしい場合には、続いてレントゲン検査を行い、骨や関節の状態を評価します。正確な診断には正確なレントゲン画像が必要であり、疼痛や緊張等で覚醒下での検査に限界がある場合には鎮静下でのレントゲン検査を行ったり、関節部の疾患で細かな評価が必要な場合にはCT検査や関節鏡検査を併用したり、場合によっては超音波検査も含め様々な検査を組み合わせて診断をしていきます。
こうして得られた診断を元に、多岐にわたる整形外科疾患に対し外科手術はもちろん外固定法や内科療法、運動療法まで個別の疾患や重症度に合わせて適切な治療を提案していきます。

些細なことでも相談を!

当院に来院される患者様は、骨折のような明らかな疼痛を伴うものから高齢になって問題になってくる変形性関節症のような年齢の問題と思われ見過ごされている疾患、大腿骨頭壊死症のような成長期特有で治療の時期が重要な疾患など年齢から症状に至るまで多岐に渡り、症状に気づきにくいものも多数あります。
また動物たちは痛み、弱みを隠す習性があるため関節のトラブルやそれに伴う痛みが見逃されてしまっていることも多くあります。
ご家族の苦痛を見逃さないためにも些細なことでもよいので相談してください。