子犬を家に迎えたら
新しく子犬を家に迎えたら、まずは健康診断にご来院ください。
最近は、購入されたペットショップでワクチン・ノミダニ予防・フィラリア予防などがセットになっており、生後半年近くなって初めて病院に来院される方も少なくありません。
しかし、子犬の時期にぜひともお伝えしておきたいことがあります。
子犬の食餌量について
~生後2か月から5か月頃~
優良なブリーダーから入手された子犬を除くと、動物病院に来院される子犬のほとんどが瘦せています。中には、背骨が浮き出ていたり、触ると肋骨や腰骨がゴツゴツしているほど重度に削痩している子犬もいます。子犬特有のフワフワした被毛で覆われているため、飼い主は痩せていることに気づいていないことがほとんどです。「食欲はありますか?」と質問すると「あっという間に食べきってすごい食欲です」と返事される人が多く、子犬が痩せていることを伝えると、ビックリされます。診察台で子犬の前にドッグフードを置いてみると、一心不乱に食べるのですが、それほどまでに空腹状態なのです。この様に、子犬の食餌量が異常に少ない原因ですが、「ペットショップで購入時に1回〇〇gを1日2回与えるようにと言われたので、それを守っていた」という理由と、「食餌量を増やしすぎると大きく育ってしまうと言われたから」という理由がとても多いです。
基本的に、子犬が必要とする量を1日3~4回に分けてしっかりと与えてください。成長と共に食餌の必要量はどんどん増えていきますので、同じ量では必ず不足しますし、食餌量と骨格の大きさは相関しません。同じ犬種でも、小さい子もいれば大きな子もいます。骨格を形成する大切な時期に栄養制限をさせて小さく育てることは、病気や骨折などの怪我の原因になったり、食糞や誤食、落ち着きのない性格などの問題行動につながることもあります。正しい知識を持って、健康で賢い子犬に育ててあげていただきたいと思います。
~生後5か月から8か月頃~
この頃になると、骨格が出来上がってきて今までガツガツと食べていた子犬も食べる勢いが落ち着いてきます。また、遊びなど食べ物以外のものに興味の幅が広がり、特に小型犬では食事の時間になってもすぐに食べないことがあります。こうなると、食欲がないと感じたり、フードに飽きたのでは?と感じてドライフードにいろいろとトッピングを加えてみたり、より嗜好性の高いフードを次々と試すいわゆる‘フード難民’の状態になってしまう飼い主が多くおられます。ドッグフードを食べないでいると、より嗜好性の高い食べ物が出てくることを学習した子犬は、さらにドッグフードを食べなくなり、ますます食餌が偏っていきます。この負のスパイラルが継続することにより、健康であった子犬に病気を作り出してしまうことがあります。
この時期に一旦食欲が落ち着くのは正常なことで、犬の食餌にはドッグフード以外の食べ物は与えないようにしてください。
この時期に一旦食欲が落ち着くのは正常なことで、犬の食餌にはドッグフード以外の食べ物は与えないようにしてください。
子犬の社会化について
犬が人間の社会で幸せに暮らすためには、順応性の高い子犬の時期に人間の社会に適応できるように社会性を身につけさせ、飼い主との信頼関係を築いておく必要があります。子犬がこれから生きていくことになる人間社会で、今後遭遇しうる様々な刺激(自動車・自転車・バイクなどの避けることのできない環境音)や知らない人、他の犬にこの時期に慣れておくと、将来これらの刺激を怖がらなくなります。知らない人に吠えたり、咬みついたりする問題は、子犬の時期に充分な社会化のためのトレーニングを行うことで予防が可能です。これらの問題は、普通は子犬のうちから見られることはあまりなく、成長してから見られるようになります。いま子犬に問題がないからと安心せず、予防をしておくことが大切です。
ペットショップやブリーダーに、「ワクチン接種がすべて完了するまで、外には出さないように」とアドバイスを受け、忠実に守ってしまう方がおられます。子犬が社会性を身につけるために、最も重要とされる社会化期(生後12週齢まで)に全く外に出さないことは、子犬を伝染病から守るという意味では良い方法であったとしても、子犬の精神的な発達という観点では好ましくありません。社会化期に充分な刺激を受けていない子犬は外界の刺激に対するこころの免疫が弱く、ワクチン接種が完了する頃に急に様々な刺激を与えると、これらの刺激に対して恐怖心を持ってしまう危険性があるのです。この時期にうまく周囲の環境に順応ができなかった子犬は、後に様々な問題行動を引き起こしやすいことが知られています。
子犬が家に慣れ、食欲・元気があれば適切な社会化のために、できるだけ早い時期から抱っこをしての散歩をおすすめします。抱っこの散歩を楽しめるようになれば、ワクチン未接種の犬との接触や、他の犬の排泄物に触れる場所を避けながら少しずつ歩いての散歩に慣らしていってください。この社会化のためのトレーニングは、リスクを上回るメリットがあることをぜひ知っていただきたいです。
子犬が家に慣れ、食欲・元気があれば適切な社会化のために、できるだけ早い時期から抱っこをしての散歩をおすすめします。抱っこの散歩を楽しめるようになれば、ワクチン未接種の犬との接触や、他の犬の排泄物に触れる場所を避けながら少しずつ歩いての散歩に慣らしていってください。この社会化のためのトレーニングは、リスクを上回るメリットがあることをぜひ知っていただきたいです。
子犬のしつけについて
犬を飼うのであれば、次の3つのルールをぜひ守っていただきたいと思います。
- ① 飼い主がペットとの生活を楽しんでいること
- ② ペットが幸せであること
- ③ ペットを飼うことで周囲の人に迷惑をかけていないこと
次に、子犬の間に人間が犬の体の様々なところを触ったり、犬の動きをコントロールしたりして、快く受け入れるように練習しておくことが大切です。
犬が人間社会に適応し、飼い主と快適に生活するためには、基本的な動作のトレーニングも必要です。まず、飼い主が犬の名前を呼べば、飼い主に注目するように練習します。さらに、おすわり・ふせ・ついて・おいで・ハウス・ちょうだいなどの合図を教えておくと、様々な場面で犬にしてほしいことを伝えられます。ここで大切なことは、飼い主が合図を出し、犬がそれに従い、結果ごほうび(ドッグフードや遊びなど)をもらえるという順番です。飼い主の合図を無視してもごほうびを得られれば、犬は飼い主の合図を無視するようになります。犬が食器の前で「ワン」と鳴けば食事を与え、ドアの前でガリガリすればドアを開けてやり、近づいてきて鼻でつつけば犬を撫でるなど、犬が飼い主をとても上手にトレーニングしている状態です。常に犬が合図を出し、飼い主がそれに従うという習慣がついてしまうと、本当に必要な時にも犬は飼い主の合図を無視するようになってしまいます。子犬の頃から、飼い主の合図に喜んで従う習慣をつけておくことで、日常のケアや健康管理も行いやすく、人間社会のルールを教えやすくなります。
当院では、JAHA認定こいぬこねこ教育アドバイザーによる「パピークラス ~子犬に教える人と幸せに暮らす方法~」を毎週開催しています。ぜひ、皆さんの子犬に正しい教育を受けさせてあげてください。
犬が人間社会に適応し、飼い主と快適に生活するためには、基本的な動作のトレーニングも必要です。まず、飼い主が犬の名前を呼べば、飼い主に注目するように練習します。さらに、おすわり・ふせ・ついて・おいで・ハウス・ちょうだいなどの合図を教えておくと、様々な場面で犬にしてほしいことを伝えられます。ここで大切なことは、飼い主が合図を出し、犬がそれに従い、結果ごほうび(ドッグフードや遊びなど)をもらえるという順番です。飼い主の合図を無視してもごほうびを得られれば、犬は飼い主の合図を無視するようになります。犬が食器の前で「ワン」と鳴けば食事を与え、ドアの前でガリガリすればドアを開けてやり、近づいてきて鼻でつつけば犬を撫でるなど、犬が飼い主をとても上手にトレーニングしている状態です。常に犬が合図を出し、飼い主がそれに従うという習慣がついてしまうと、本当に必要な時にも犬は飼い主の合図を無視するようになってしまいます。子犬の頃から、飼い主の合図に喜んで従う習慣をつけておくことで、日常のケアや健康管理も行いやすく、人間社会のルールを教えやすくなります。
当院では、JAHA認定こいぬこねこ教育アドバイザーによる「パピークラス ~子犬に教える人と幸せに暮らす方法~」を毎週開催しています。ぜひ、皆さんの子犬に正しい教育を受けさせてあげてください。